ホストの接客スタイルを解説
ホストの仕事には個性を売りにすること。
100人いれば100通りの接客スタイルが存在しますが、大まかな傾向でいくつかの種類に分類できます。
ホストの接客スタイルのことを「○○営業」と呼びます。
主な「営業」をここでは解説していきます。
あなたの性格にあう「営業」はどれ?
各営業の特徴と注意点、そして「こんな人に向いている」という情報をまとめました。
1つのスタイルにこだわる必要はありません。
複数を組み合わせたり、相手に合わせたりして自分だけのオリジナル「営業」を確立しましょう。
オラオラ営業
オラオラ営業の特徴
高圧的・横暴な態度、時には客を客とも思わない態度でグイグイ引っ張っていくタイプの営業方法。
ポジティブに考えれば「男らしさ」をアピールする方法です。
シャンパンをおろす際にいちいち相手に確認なんてしません。
「ボトル入れるんだろ」これだけです。
店に呼ぶのも「今日来いよ」の一言でOK。
オラオラ営業だからと言って周囲の人すべてにオラつく必要はありません。
それをやってしまうと単なる「乱暴な奴」になってしまいます。
お客様に「私だけに見せる顔なんだ」という特別感を与えるつもりでメリハリをつけて対応しましょう。
オラオラ営業のメリット
自分主導で物事を進められるので上手く行けばガンガン売上を増やせます。
多少の無茶もきくので売上がピンチのとき、ノルマを達成できないとき、どんどんお店に呼んでしまいましょう。
依存度が比較的高い関係性なので一度はまれば安定的な収入を確保できます。
オラオラ営業が向いている女性のタイプ
物事を自分で決められない優柔不断な女性や男性につくすタイプの女性、あとは寂しがりやの女性にも向いています。
多少強引でも自分の行動を後押ししてくれる男性を求めているのでオラオラ営業が上手くいきやすいです。
オラオラ営業の注意点
仕組みは単純な営業方法ですが、相手を見誤ると簡単に失敗します。
初対面のお客様に100%フルパワーのオラオラは悪手。
反応を見つつ、調整したり方向転換する必要があります。
上下関係がはっきりした営業方法が故に、ある程度の信頼関係を構築する時間が必要です。
ホストたるもの、自分への絶対的な自信を持つべきですが、オラオラ営業はその中でもゆるぎない自信が必要です。
オラオラ営業は量より質、ハイリスク・ハイリターンな営業方法です。
オラついている最中に相手を気遣うようなそぶりは逆効果。
M男に遠慮している女王様に魅力が無いのと一緒です。
その他、ファーストコンタクトで拒否反応を起こすお客様がいるかもしれませんが、そこでひるむのもNG。
やると決めたらとことんまで。
Sっ気を出すときはしっかりと、でも怒鳴るのはダメ。
暴力はもっとダメ。
目線や声のトーンなどでオラオラっぷりは十分お客様には伝わります。
色恋営業
色恋営業の特徴
キャバクラと同様に擬似恋愛を売りとするホストの最も基本的な営業スタイル。
恋愛感情を巧みに利用してお客様との関係を構築していく方法です。
色恋営業の中でも、「君が本当の彼女だよ」と特別扱いすることを特に本彼営業(ほんかのえいぎょう)とも呼びます。
色恋営業のメリット
ホストクラブに遊びに来る女性は少なからず恋愛への興味がある人ばかりです。
恋愛関係を構築する上でのハードルは少し下がります。
場合によってはお客様側から色恋を仕掛けてくることもあります。
2人の関係性が上手くいくと「自然と」来店頻度が上がったり、注文してくれるお酒の値段が上がったりします。
また、多少のわがままやおねだりも聞いてもらいやすくなります。
感情がMAXまでいくと、もはや接客などせずとも近くにいるだけで満足してくれるお客様もいるのでかなり仕事が楽になります。
色恋営業が向いている女性のタイプ
最近失恋した女性は色恋のチャンス。
また、男性関係が途切れない恋愛体質の女性にも色恋営業は良い方法。
恋愛経験の少ない女性は落としやすいので有効です。
色恋営業の注意点
※後述の枕営業との区別化のため肉体関係を結ばないものとして扱います。
色恋営業は恋愛感情を伝えたり、恋愛感情を意識させる言動・行動を取ったりすることで成立さます。
但し、通常の恋人関係とは違いSEXというある種の終着点がありません。
そこにはたどり着かずに関係を続けるためにお客様の感情をコントロールすることが重要です。
色恋営業から枕営業へシフトするのは簡単ですが、一度ご褒美をあげてしまうと満足してしまって関係性が揺らぐ可能性があります。
前述しましたが、色恋営業はホスト側からだけ始めるものではありません。
お客様の方がアプローチが始まる場合もあります。
相手が望むものを与えれば良いのでホストとしては簡単で良いのですが、一部でややこしい女性がいるので注意が必要です。
ややこしい女性とは、いわゆる「メンヘラ系」の人たちです。
精神的に病みやすく、情緒不安定で扱いに困ることが多々あります。
感情の矛先がホストに向いているうちはまだ何とかなりますが、他のお客様に向いて面倒を起こすことも考えられます。
色恋希望の女性には一定の警戒心を持って対応しましょう。
友達営業
友達営業の特徴
友達同士のノリで接客する営業スタイルです。
大学生が飲み会でワイワイはしゃいで楽しむアレです。
色恋営業に比べて恋愛色はかなり控えめ。
あまり強い恋愛関係(擬似だとしても)を望まない一般層(風俗・水商売でない)が多い1部営業向けの接客方法かもしれません。
大学生ホストは普段のノリを持ち込むことでスムーズに対応できます。
ネオホスト系と相性が良いかもしれません(酒をあまりガンガン飲まない、スーツでなくラフな格好で接客する)。
友達営業の注意点
恋愛関係に依存しない営業方法のため、お客様とのトラブルは起きにくいです。
その代わりに関係性が薄くなりがちで、他のホストに鞍替えされる危険性もあります。
また、恋人同士であれば期待できる何も話さずとも隣にいるだけで満足といったこともありませんし、今月の売上がピンチなんてときにも積極的な助けは得られにくいです。
後はどれだけ楽しませられるかが勝負。
常に新しいネタを仕込んでおくためのアンテナを張っておくと良いでしょう。
病み営業・メンヘラ営業
病み営業・メンヘラ営業の特徴
しんどい、苦しんでいる、ネガティブな僕を助けて、と弱い部分をさらけ出して救済を求める営業スタイル。
肉体的な苦しみよりも精神的な苦しみの方が多いです。
オラオラ営業と似たところでお客様の前だとちょっと気持ち楽になるという特別感を与える点が重要。
ダメ男好き、母性が強いタイプにはうってつけですが、客の方が病んでいる場合は難しいです。
病み営業・メンヘラ営業の注意点
病は気からと言うように、精神状態が落ち込むと体にも変調をきたします。
これはたとえ営業としての演技だとしても無視できない要素です。
病み営業・メンヘラ営業を主な方法として長く続けるのはオススメできません。
また、相手の気持ちがさめるときは色恋よりも一瞬です。
その後のリカバリーが難しいので注意が必要でしょう。
枕営業
枕営業の特徴
男の武器を使っていく営業スタイル
簡単に言えば「セックス」です。
肉体関係を結ぶ事でお客様との関係を強めていく方法。
ぶっちゃけ、ホストクラブには最初から肉体関係を結びたいお客様が一定数いますし、多少強引でも男女の関係になることで手っ取り早く客をつかめます。
短期で辞める予定のホストや短期間で成果を上げたいホストに向いているかも知れません。
枕営業の注意点
長い色恋営業の後の枕営業はある意味で理想の形かもしれません。
しかし短期決戦の枕営業はやや問題点があります。
それは、次の一手をどうするかです。
メインディッシュを早々に与えているので関係を継続する奥の手がなくなり継続率が低くなる傾向があります。
関係を持った後こそが腕の見せ所、といった感じです。
その他、お客様から性病をもらう可能性が増すということも注意点に入れておきましょう。
ホストの仕事にマニュアルはある?
様々な「営業」を使いこなすホストの仕事にマニュアルなんて…と思うかもしれません。
しかし、ホストの仕事にもマニュアルは存在します。
マニュアルの一部がネット上に流出したことがあるので目にした方は多いかもしれませんね。
マニュアルの内容は各店で異なると思いますが、
・営業方法の解説
・ホストとしての身だしなみ
・会話術
・テーブルマナーやハンドサイン(内勤スタッフに送る合図)
・女性のタイプ別攻略法
などがあります。
マニュアルの是非については意見が分かれるところですが、新人ホストの教育に便利なことは間違いありません。
慣れない仕事で早々につまずいて辞められるより、マニュアル通りでも接客をこなして少しずつ自信をつけてもらう方がお店にとってメリットが大きいです。
どこかの段階でマニュアル通りの接客を卒業して、そこからは自分だけの「営業」を模索していくのです。
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